フリーマーケット革新策3案(2008年PMSのコ思考術初日成果) |
未充足ニーズと未対応ターゲットを特定する「概念ポートフォリオ」と
現状を<送り手側のモノ提供の論理>で洞察して
理想を<受け手側のコト実現の論理>で発想する「思考フォーマット」
の展開例として、
昨今の世間の話題から有意義なコンセプトを導くシリーズ第27弾です。
◯ 「不要品資源処理再生型フリマ」
◯ 「お父さんも楽しいBBQ型フリマ」
◯ 「通販商品集合型フリマ」
今回の新型フリマ案は、受講者グループのそれぞれの生活感が敏感に現状パラダイムの限界性を直感し、それを打開するパラダイム転換アイデアを具体的かつ明快に提示するものでした。
ただ残る1グループだけ、「男性は買いモノに興味なくコトに関心があるのではないか」「事前にどんなコトや情報があるのか分かった方がいいのではないか」といった気づきを得ながら、どんなコトや情報によってどのようなイベントを展開させるかという具体的アイデアにまでは至らない内に制限時間を過ぎてしまいました。
初日の演習は、演習開始時に繰り返し説明していますように、アイデア出しが目的ではありません。アイデア出しは二日目の自由課題の時に全身全霊で取り組んでもらいます。
初日の演習は、パラダイム転換アイデアを
<ニーズを特定する概念ポートフォリオ>
<現状を批判的に分析する送り手側のモノ提供の論理の思考フォーマット>
<理想を創造的に洞察する受け手側のコト実現の論理の思考フォーマット>
以上3つを使って、グループメンバーが共感した気づき、気がかり、問題性、転換の切り口やアイデアといった、発想や洞察の断片をパラダイム転換物語の材料としてメタ思考しながら、最終的にパラダイム転換物語の骨子としての基本的な概念要素とそれを繋げる文脈を明快にすることが目的です。
具体的には、概念ポートフォリオの2軸をどのような軸として両極にどのような言葉をすえるか、思考フォーマット2枚の全部で6つの概念要素をどのような言葉で捉えるかです。
言葉を厳選し言葉の連なりで、最終的には<問題の発見→課題の創造→解決手法の考案→コンセプトへの総括>というロジカル・シンキングの物語に展開できるようにするテクニックを習得してもらうのが目的です。
人間は母国語で物事を考える以上、またその成果を他者に母国語で伝える以上、世界の話し言葉が共通してもつ4つの基本的な概念要素を、ある文脈にのっとって明快にすることが考えること、そしてその考えを確かに伝えることに他なりません。
「コンセプト思考術」は、その文脈を「パラダイム転換の物語」として予め設定して、物事を発想洞察した断片を物語へとメタ思考するツールです。すべてに通用するとは思いませんが、こと「パラダイム転換の物語」の分析と構築には有効であることは、原理的でかつ単純明快であるため誰もが認めるものです。
PMSのような長期のシリーズ・カリキュラムの場合は最終発表に向けて発表内容をより明快で魅力的なコンセプトにするために様々な角度からアイデア出しを迫られることになります。
当然それは、最終的にターゲットに提供しようとする商品やサービスというソリューション、<モノの特徴的な機能>にとどまる話ではありません。
発想思考成果を自らがメタ思考したり、他グループに発表して客観的な思考にさらされたりして、ニーズやターゲットの捉え直しからして、受け手にとっての<コトの画期的な意味>と<コトの個性的な感覚>という課題を修正して、課題を解決するソリューションである<モノの特徴的な機能>を修正することになる。
「コンセプト思考術」の初日演習は、あくまでそうした具体的な知識創造作業に耐えうる一貫性あるノウハウとして、物事の基本的概念要素への分析と、基本的概念要素のコンセプトへの構築の基礎テクニックを習得して戴くためのものです。
今回1つの受講者グループは、「モノではなくコト」という抽象的なパラダイム転換方向と、「事前にイベント内容が告知される」という<モノの特徴的な機能>つまりソリューションという手段までは思い到りましたが、残念ながらそれを制限時間内に、どのようなニーズをもった人々がどのようなコトをするという具体的な目的にまで方向づけることができませんでした。
この状態からでは、他の3グループのように、概念ポートフォリオと思考フォーマットに言葉を記入してメタ思考することで具体的に発想を展開したり洞察を深めることはできません。
そこで別途の演習をしてもらいました。
つまり、すでに起こっている「パラダイム転換的な新型フリマ」を講師が紹介して、その分析をしてもらいこれを講師がご指導させて戴くことで、初日演習の主旨であるテクニック習得をしてもらうということにしました。
講師が解説した「パラダイム転換的な新型フリマ」とは、NHKのBS番組「ニューヨーク街物語」で「ブログから生まれた出会いの場」として紹介されたブルックリンのフリーマーケットです。
http://www.brownstoner.com/brooklynflea/
ニューヨーク街物語 フリーマーケットで会おう!
BS1 7月12日(土)午後6:30~6:50
今年の4月、ブルックリンで始まったフリーマーケットが大きな話題を呼んでいます。毎週日曜日、集まってくるのは1万人あまり。このマーケットができるきっかけとなったのは、ブルックリンの街角情報を発信している、あるブログです。それを通じてフリーマーケットを作ろうと呼びかけたのは、かつてウォール街で活躍した金融マン、ジョナサン・バトラーさん。5年ほど前に書き始めたブログは、古い街並を守りたいという思いが共感を呼び、15万人という読者を抱える人気となりました。このバーチャルなコミュニティーを手触りのある、触れ合いの場にできないか。こうしてインターネットから生まれた、ユニークなフリーマーケットを紹介します。
★取材ノート
元金融マンのジョナサンさんは、もうマネーゲームに飽き飽きしていたといいます。もっと落ち着いた、人間同士の触れ合いの場を作りたい。そんなマーケットだからこそ、これだけ多くの人々が集まってくるのかも知れません。