中国ドラマシリーズ「美人心計」、そして「日本書紀」 |
ここのところビデオ通販レンタルで見ている中国ドラマシリーズ「美人心計」は、西漢時代 ( 紀元前206年 〜 ) の主に後宮が舞台だ。(ちょうど昨夜みた第30話の内容→http://blogs.yahoo.co.jp/sea_story_2/10846554.html)
で、ちょうど古事記と日本書紀を比較する本を読んでいて、日本書紀の編纂には中国系渡来人が参加していることが気になった。当時の世界共通語である漢語で書かれているから当然のようだが、日本書紀に出て来る跡目争いの背景や物語り方が西漢の王朝物語と重なることに気づいた。宝刀絡みの神威を誇張するところは神威を天意に置き換えれば中国人にも理解してもらえるが、ヤマト王権の跡目争い話も中国のそれに重ねれば親近感をもってもらえる。そういう演出のために中国系渡来人が役立てられたのではなかろうか。世界共通語としての漢語の正確さだけならば朝鮮系渡来人でも事足りた筈なのだ。
なんてことを、ガストで読書しながら思いました。
古事記が天皇家の私的な歴史書であるのに対して、日本書紀は海外に向けてヤマト王権の正統性を権威づけるもの。極東の国々がどんなに盛衰しようと外交官僚や軍務官僚が基礎データにする訳で、文化的に遅れていないこと軍事的に強いことが暗示されなければならなかった。つまり、今流に言えば、元祖クールジャパンの歴史書だった訳だ。