日本のモノづくりの文化的DNAは凄いという番組が目白押しだが |
日本のモノづくりの文化的DNAは凄いという番組が目白押しだ。共通して抜け落ちている重要事が2つある。①集団が中長期的な成果を求める日本型経営の結果なのだが、日本型経営の全否定で個人の短期的成果を求める体制が蔓延。②戦後に軍需産業も平和産業化した帰結なのだが今は逆の動き。
戦後、潜水艦探査技術を魚群探知機に、戦闘機機関銃技術かミシンに転換。今はさまざまな軍需装備品の国際市場が成長戦略化。戦艦大和も零戦も天回にも日本のモノづくりの文化的DNAは息づいている。注意すべきは戦後の平和産業のモノづくりは受け手側論理にたち
戦前の軍需産業のモノづくりは送り手側論理にたっていたこと。戦後、後に世界企業になるホンダや松下などベンチャーが広く仲間を求めて共創し競争したのに対して、戦前は、財閥系および御用企業が既得権益体制という身内において排他的に事業機会を独占。結果、
欧米にはない日本の軍部という送り手側論理ならではのモノづくりの特徴が生じた。象徴的には人間魚雷天回や米戦闘機に比べて戦闘員の防護を軽視した零戦などである。兵士=人間という受け手側論理は後回し。いわゆる資源不足を逆手にとった苦肉の策が奏功したモノづくり話とは真逆だ。